Stranger Ville編②

翌日も仕事は休みの上に雨だったので家でのんびり昼食を食べているとノックの音が。

 

誰だ?

 

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……。 

 

フルーツケーキを持って、ご近所の歓迎らしいが初見から色々とヤバい。

もうホラーですね、これは。

誰か!バールのようなものを持ってきて!

 

 

 

「すまないが、これから犬の散歩に行くんだ。

来てくれて感謝するが早めにお引取り願いたい。」

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『目ヲ開け マざーの花開ク美を目撃セよ』

『まザーは赤ニ染まル まザーは美シい』

 

 

普通に会話が通じない。

ん…?そういえば、あとの2人はどうした?と外を見回してみると

 

 

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おい、なに勝手に人の家に埋めてるんだ。

 

 

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『うツくシいうツくシいうツくシいビジョうツくシいうツくシいうツくシい』

『まザーを受ケ入れロ まザーと一緒ナら幸セにナれル』

 

 

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『クれーターに集マれ』という言葉を最後にとんでもなく奇妙な歓迎が終わった。

クレーターって研究所がある所だろうが集まれ、ってのは誰に向けての事なんだろうか。

 

 

ちなみにヴァンは引越しパーティーが始まると同時に外に飛び出して行き、終わると同時に帰ってくるほどのちゃっかり者。普段は飼い主から離れないぐらいなのに。

 

「お前、そんな泥だらけになってどこ行ってたんだよ(笑)

こっちは大変だったんだぞ。」

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と、くつろぎモードもつかの間。

 

 

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すっかり暗くなった外には謎の黒ずくめの男2人。

手前の石原裕二郎の物まねの出来損ないのような男がノックもなしに腹の贅肉を揺らしながらズカズカと家に上がり込んで来た。

 

 

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裕二郎『お使いの冷蔵庫に汚染の兆候が見られました。冷蔵庫とその内容物はただちに差し押さえとなります。損害については補償金が支払われますのでご了承ください。』

 

 

「おい、勝手に無断で人の家に入って来て何なんだ。

冷蔵庫の中には何も入ってないぞ。」

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裕二郎『何も問題は見つかりませんでした。すべて許容範囲内です。秘密研究所には近づかないようにお過ごしください。ご協力に感謝します。』

 

何も問題がないならなぜ冷蔵庫を持って行くんだい?

 

スプリングタイプのメモ帳に簡易的に書かれたメモを残して黒服達は帰っていった。

 

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…冷蔵庫の補償金はいつ入るんだ。

明日の朝食に困るだろうが。ということで冷蔵庫を急遽購入。

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とんでもない休日が終わった。

 

 

翌早朝、外を見てみると埋められたはずの花壇には何も無くなっていた。

裕二郎ではないもう一人の黒ずくめの男が持ち去ったのだろう。

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そういえばあの赤い実、どこかで見たことがある気がするのだが…