Stranger Ville編⑤
ヴァルファーとシドゥリが引っ越してきた日から3日後の昼間、ヴァルファーが仕事に出掛けているうちにアレがやって来た。
え、ちょ…コイツら何?
恒例のご近所の歓迎イベント。
ただシドゥリはヴァンパイアのため普段、特に昼間はひたすら家に引き篭もっている。
なので突然の見知らぬ来客と、屋根があるとはいえ明るい外に引っ張り出されてご機嫌がよろしくない。
「帰ってくれねーかな。もしもーし、話通じてますかー。」
腹いせにビンタ連発。
7、8回近くビンタを叩き込まれたジェスが正気に戻ることはなかった。
正気に戻った時に顔がめっちゃ赤く腫れ上がってそう…。
話は戻り、夜。
子供達から事前に情報を聞き出していたヴァルファー。
『もし調べるとしたら秘密研究所かな。何か怪しい事が行われてるって話を聞いたことがある。裏門から忍び込めるらしいよ。』
モティマーの息子だけあってアレクサンダーの物言いはまるで推理小説の少年探偵団のようだ。
子供達の話通り研究所の塀が中からぶち破られていたのでリーグ、ヴァルファー、シドゥリ、ヴァンと一行揃って進入。
建物内部に入ると中心に開かずのドアが鎮座していた。
ドア上部の流れる蛍光版文字のせいで電車か飛行機のドアっぽく見えなくも無い。
シドゥリが遠巻きに眺めてる。
“ドアはロックされています。開けるにはカードキーが必要なようです。町の誰かがカードについて知っているかもしれません。ここを去る前に他に情報がないか秘密研究所を調べておきましょう。”
必要:カードキー
科学者や軍関係者、陰謀論者に入手について尋ねてみましょう。
ドアを開けるには証拠とカードキーが必要らしいが、それは町に戻ってからのようだから先に証拠集めだ。
証拠を探すために書類を物色するが音を立てずに、という思考がなさそうな2人。
ガシャン ガサガサガサ
「これは何だ…?文字が小さくてよく見えん、忌々しい。分からんもんはいらん!」
ポイッ
※老眼のヴァルファーは文字がよく見えない。
そんな中シドゥリが1人、近くにあったパソコンのハッキングを始めた。
「コイツからも何か出そうなのか、どうなんだ!?」
「さぁ。そんなことはやってみないと分からないけど。
集中したいから黙っててもらえる?あと後ろに立たれると邪魔。」
「うるさいとは何だ!?わしは状況を聞いてるだけだろうが!」
「あッ、やられた!」
見事に煙を噴くパソコン。
現実で今、自分が使ってるノーパソがこんなことになったらと思うと恐ろしい限りだ。
この研究所には計3台のパソコンがあるのでハッキング継続。
2台目
3台目
「あー何で壊れるんだよ、このクソッタレが!!」
ティーンエイジャーのシドゥリ、思うようにいかずにぶち切れ。
器用さスキルが9以上あればこのパソコンは直せるそうだが、この3人の中で器用さを持っているのはリーグだけ。
おまけにスキルレベルは3だった。
よくやってくれたよ、とふてくされているシドゥリをフォローするリーグ。
……。
シドゥリが打ち解けてくれる日は来るのだろうか。
所持品の中に集まった証拠にカーソルを当てると15個集めろとの表示が出た。
しかし研究所を漁り尽くしたが全く15個に満たないまま、日の出の時間が近づいてきたので全員撤収となってしまった。
あぁ…このまま出勤しなきゃならんのか…。(遠い目)